「写真ではあんなに可愛いのに、目の下の赤茶色が目立ってきた…」
「どんなに拭いてもすぐに戻ってしまう…」
そんなお悩みを抱えるトイプードルのご家族さまは、とても多いです。特にお顔の可愛さを重視される方にとって、涙やけは気になりますよね。
でも、安心してください。
涙やけは“体質だから仕方ない”わけではありません。原因を理解し、環境とケアを整えていけば、必ず改善できます。
Royal Tiaraでは、トイプードルの子犬専門ブリーダーとして、毎日たくさんの子犬たちの成長を見守りながら、健康と可愛さの両立を徹底しています。
私たちが最も大切にしているのは、命への敬意です。
世の中には、利益のために乱繁殖を繰り返す“悪徳ブリーダー”が存在します。
過酷な環境で育てられた子犬たちが病気や障害を抱え、その結果として涙やけなどのトラブルに苦しむケースも少なくありません。私たちは、そんな悲しい現実を少しでも減らすために、ひとつひとつの命を丁寧に、健やかに育てることを使命としています。
この記事では、「トイプードルの涙やけってなに?」という基本から、「今日からできるおうちケア」「フードや生活環境の見直し」まで、ブリーダーとしての経験をもとに、やさしく・分かりやすくお話しします。
涙やけってなに?

「涙やけ」という言葉はよく耳にしますが、そもそもどんな状態のことを指すのか、明確に説明できる方は意外と少ないかもしれません。
涙やけの正体は、ポルフィリン
涙やけとは、トイプードルの目の下に、赤茶色やこげ茶色の線のような“しみ”がつくこと。
これは、流れ出た涙が被毛に長時間とどまり、涙の中に含まれるポルフィリンという色素成分が酸化して、毛を染めてしまうことで起こります。
とくに白やアプリコット系など淡い毛色の子ほど目立ちやすく、せっかくの愛らしいお顔がくすんで見えてしまう原因になります。
見た目だけでなく健康のサイン
涙やけは、単なる“見た目の問題”ではありません。
涙が多い=目や鼻の通りに何らかの原因があることも少なくなく、放っておくと以下のようなトラブルにつながる可能性もあります。
- 皮膚が常に湿って、細菌が繁殖しやすくなる
- かゆみや炎症を起こし、目のまわりをかいて悪化させる
- さらに悪化すると、涙やけのニオイが気になることも
つまり、涙やけは「可愛さの敵」であると同時に、健康のサインを見逃さないための“お知らせ”でもあるんですね。
涙やけが子犬期に起こりやすい3つの理由

涙やけは、どんなトイプードルにも起こりうる現象ですが、特に仔犬期(生後2〜8か月ごろ)に目立ちやすい傾向があります。
これは、まだ体の機能が発達途中であるから。つまり“未完成な部分”があるからこそ、涙がうまく流れきらずにこぼれてしまうんですね。
ここでは、トイプードルの仔犬たちに多い、「涙やけしやすい3つの主な理由」をご紹介します。
涙の通り道(鼻涙管)がまだ細い
涙は、目頭から鼻の奥へと抜けていく小さな管(鼻涙管)を通って排出されます。
ところが、生後まもない子犬はこの管がまだ細く、カーブも急。ちょっとした刺激や炎症で詰まりやすくなります。
特に歯の生え変わり期(生後5〜7か月)には、顔の骨格が変化して鼻涙管が圧迫されることもあり、一時的に「涙っぽくなる」子も多いです。
ですが、これはほとんどが一過性のもの。成長とともに自然に涙の通りがよくなるケースが多いので、焦らず、清潔に保つことを意識しましょう。
目元の毛が涙腺を刺激している
トイプードルは、毛質が柔らかく繊細。
成長期には毛の流れが変わり、まつ毛や目頭の毛が目に触れてしまうことがあります。それが刺激になって涙の分泌が増え、結果として涙やけを悪化させてしまうんです。
涙腺を刺激させないコツ
- 目の周りの毛をこまめに整える(※自宅ではハサミを使わず、必ずトリマーへ)
- ブラッシング時に「目に毛が入っていないか」を毎日チェック
- 被毛が目にかかりやすいタイプの子は、短めカットを定期的に
ちなみにRoyal Tiaraでは、お迎え前からトリマーと連携し、「涙やけしにくい目元カット」を徹底しています。
フードや環境の変化によるストレス
仔犬は、まだ消化機能も安定していません。
フードの種類を急に変えたり、環境が大きく変わったりすると、体がびっくりして、涙やけが一時的に悪化することがあります。
たとえば、
- お迎え直後で慣れない生活が続いている
- フードやおやつを短期間で何種類も試している
- 新しいお水や食器に変えた
こうした小さな変化が、体のバランスを崩すきっかけになるのです。
涙やけストレス対策のコツ
- 生活リズム(食事・散歩・睡眠)をできるだけ一定に保つ
- フードは1種類を2〜3週間は継続して様子を見る
- お水は常に新鮮なものを。ステンレス・陶器の器がおすすめ
ご家庭で今日からできる涙やけケア7ステップ

涙やけの改善に大切なのは、「高価なグッズ」や「即効性のある薬」ではありません。
毎日のちょっとしたケアの積み重ねが、一番大きな変化を生みます。
ここでは、Royal Tiaraでも実際に行っているお手入れ方法を、ご家庭でもできるようにステップ形式でまとめました。
難しいことはありません。
“やさしく・コツコツ”が合言葉です。
ステップ①:朝晩の「ぬるま湯ガーゼ」で涙をリセット
朝起きたときと、寝る前の2回。
ぬるま湯を含ませたガーゼで、目頭から目尻へやさしくひと拭き。
ティッシュでは繊維が硬すぎるため、柔らかいコットンガーゼがおすすめです。
拭く方向は「一方向のみ」。往復させると汚れを広げてしまいます。
お湯の温度は人肌程度(35〜38℃)。「冷たい or 熱い」は刺激になって逆効果なので、注意してくださいね。
ステップ②:拭いたあとは“しっかり乾かす”
実は「拭いたあと」がとても大事。
湿ったまま放置すると、色素が酸化しやすくなり、涙やけが進行します。
拭いたあとは、ティッシュで軽く押さえる→ドライヤーの弱風で数秒乾かすだけでOK。
ほんのひと手間で、皮膚トラブルの予防にもなります。
ステップ③:目元の毛を整える
毛が目に触れると、涙腺が刺激されて涙が増えます。Royal Tiaraでは、目元の毛を2〜3週間に1回トリミングしています。
自宅で切るとハサミが危険ですので、信頼できるトリマーさんにお願いしましょう。「涙やけしにくいカットを希望します」と伝えると、最適な長さにしてもらえます。
ステップ④:フードをコロコロ変えない
「涙やけに良いと聞いて…」と、あれこれ試す方が多いですが、頻繁な切り替えは、子犬の胃腸に大きな負担をかけます。
少なくとも2〜3週間は同じフードを続けて様子を見ること。合わない場合も、ゆっくり段階的に切り替えるのが鉄則です。
なお、Royal Tiaraでは、仔犬の個性と体質に合わせて原材料を厳選したブリーダー専用フードを使用しています。
お迎え後も、同じ銘柄をしばらく継続していただくと安心です。
ステップ⑤:お水と器を清潔に保つ
水が汚れていると、細菌が繁殖しやすくなり、涙やけを悪化させます。
特に夏場は要注意。
・毎日、器を洗って新しい水に交換
・プラスチック製よりも、ステンレスや陶器を選ぶ
・出先では携帯ボトル給水を活用
ほんの少し意識するだけで、体内バランスが整い、涙量の安定につながりますよ。
ステップ⑥:お部屋の清潔と空気環境を整える
おうちのホコリや湿気も、涙やけに関係します。空気がこもると、目元の細菌が増えやすくなりますので、注意してください。
- ハウスやマットは週1回以上洗濯
- 空気清浄機を活用し、湿度40〜60%をキープ
- エアコンの風が直接当たらないように調整
Royal Tiaraでも、犬舎は24時間空調+定期換気で、仔犬が快適に過ごせる「涙やけしにくい環境」を維持していますが、ブリーダーの中には粗悪な環境で育ている方も少なくありません。お迎えする前に、清潔な環境で生まれ、育てられたか、確認していただくと良いと思います。
ステップ⑦:日々の記録をつける
「今日の涙の量」「フード」「便の状態」などをメモしておくと、どんな時に悪化・改善するかが見えてきます。面倒に感じる方が多いと思いますが、仔犬のうちは日々のチェックがとても大事。
Royal Tiaraでは、お迎え後のご家族に「涙やけチェックノート」をおすすめしています。ほんの数行でも、涙やけの原因を“見える化”できると、対応が早くなります。
【おまけ】フード選びと切り替えのコツ

涙やけに悩むご家族の多くが、「フードを変えたら良くなる?」と気にされているので、Royal Tiaraの見解をお伝えしておきますね。
先に答えをいうと――“場合による”です。
確かに食事は大切ですが、魔法のように一晩で治るフードは存在しません。大事なのは「体質に合ったものを、正しい方法で続ける」ことです。
良いフードを選ぶ3つのポイント
- 動物性たんぱくが主原料
→ 原材料の最初に「チキン」「サーモン」「ラム」などが書かれているものを選びましょう。 - 人工添加物・着色料が少ない
→ 鮮やかな色や強い香りのフードは注意。刺激で涙が増えることもあります。 - 穀物が多すぎない
→ 小麦やトウモロコシ中心だと、アレルギー反応を起こす子もいます。
フード切り替えの正しい手順
フードの変更は7日間かけて少しずつ行いましょう。
日数 | 割合(旧:新) |
---|---|
1〜2日目 | 7:3 |
3〜4日目 | 5:5 |
5〜6日目 | 3:7 |
7日目〜 | 1:9 |
これを守るだけで、消化トラブルや涙やけの悪化を防げます。
サプリメントは“補助”と考えましょう
ちなみに、乳酸菌やオメガ3、ビタミン類など、涙やけに良いとされるサプリもありますが、まずは基本の食事・清潔・環境を整えるのが先です。そのうえで、獣医師に相談しながら取り入れるのが安心です。
まとめ|“可愛い”を守るためにできること

トイプードルの涙やけは、体質だけが原因ではありません。
日々の生活の中に、小さな改善のヒントがたくさん隠れています。
この記事のまとめ
- 涙やけの正体は、涙に含まれる色素「ポルフィリン」
- 子犬期は鼻涙管の未発達や毛の刺激、環境変化で起こりやすい
- 高価な薬よりも、日々のケアと清潔な環境づくりが効果的
- フードは“量”よりも“質”。動物性たんぱくが主原料で、添加物の少ないものを選ぶ
- 変化を焦らず、「拭く→乾かす→整える→続ける」を習慣化
お迎えを検討中の方、ご家族さまへメッセージ
涙やけは、「うちの子が可愛くないから」でも、「ケアが下手だから」でもありません。
むしろ、心配されて、この記事をご覧になっているということは、それだけ愛情を注いで見守っている証拠です。
小さな変化に気づき、丁寧にケアしてあげることで、その子の健康も、そして“可愛さ”も、もっと輝いていきます。
焦らず、比べず、今日からできることを少しずつ。それが、いちばんやさしい涙やけケアです。
Royal Tiaraは、「命への敬意」を胸に、健康で、性格が良く、そしてとびっきり可愛いトイプードルを育てています。
世の中には、利益を優先するブリーダーも少なくありません。
でも私たちは、“幸せに暮らせる命”だけを送り出すことを誓っています。
涙やけに悩むすべてのご家族が、安心して笑顔で過ごせるように──。
私たちはこれからも、正しい知識と誠実な繁殖で、“ほんとうの可愛さ”を守り続けていきます。